モルデカイザーが妊婦にultを使ったらどうなる？
こんにちは。先日フレンドとlolをプレイしていた時に「モルデカイザーが妊婦にアルティメットを使ったらお腹の赤ちゃんはどうなるの？」という疑問が話題になり、結局その時は明確な結論にたどり着けなかったので個人的に考察して記事にしようと思い立ちました。
1.モルデカイザーのアルティメット
世界一のプレイ人口を誇るオンラインゲーム「リーグオブレジェンド」に登場するモルデカイザーというチャンピオン。
このチャンピオンのアルティメットスキルは「敵1体を対象とし0.5秒後に自身と対象のみが入れる冥界に閉じ込める」というもの。冥界内の2人のどちらかが倒されるかアルティメットの効果時間が切れるまでは冥界から出ることができないことからプレイヤー間では「誰も触れない2人だけの国」「セックスしないと出られない部屋」などと呼ばれています。
そしてリーグオブレジェンドにはタムケンチという味方を丸呑みにすることができるチャンピオンが存在します。
ですがタムケンチが味方を飲み込んでいる状態でモルデカイザーにultを使われると、飲み込まれていたチャンピオンは強制的にタムケンチから排出され、タムケンチのみがモルデカイザーと共に冥界に閉じ込められます。
これは「モルデカイザーのultは絶対に対象とした1体のチャンピオンと自身のみを冥界に閉じ込める」というルールがあるためです。
この仕様から「モルデカイザーが妊婦にultを使ったらどうなるの？」という疑問が浮上しました。
しかし、「タムケンチがそうなんだから妊婦からも赤ちゃんが強制的に排出されて妊婦のみがモルデカイザーに連れて行かれるだろ😠」とはなりませんでした。
2.一心同体のチャンピオンの存在
リーグオブレジェンドには2人もしくは2匹で1体としてカウントされているチャンピオンが存在します。
挙げ始めるとキリがないので今回はヌヌ&ウィルンプを例とします。
このチャンピオンはヌヌという少年がウィルンプというイエティに乗っており、その状態で「1体のチャンピオン」として扱われています。
つまり、ヌヌ&ウィルンプにモルデカイザーがultを使ってもウィルンプのみが冥界に連れて行かれヌヌは強制的に降ろされるなんてことはないということです。
タムケンチの時は体内の味方は排出されるのに、ヌヌ&ウィルンプは一緒に冥界に入ることができるのです。
3.妊婦の場合は？
モルデカイザーが妊婦にultを使った時に中の赤ちゃんがどうなるのかを考えるのに、そもそも妊婦が「1体のチャンピオン」として扱われるのかを明確にする必要が出てきました。
しかし、妊婦はリーグオブレジェンドには登場せず、チャンピオンでもなければtopレーナーでもありません。
なので逆に「赤ちゃんが１人の人間として扱われる瞬間」がいつなのかが分かれば「その瞬間」よりも前の段階の妊婦は「1体のチャンピオン」として扱われ、モルデカイザーのultにもお腹の赤ちゃんと一緒に入ることが出来るはずです。
4.人間の始期
Wikipediaで人間に人権が発生する瞬間がいつなのかを調べてみると「人の始期」というページにたどり着きました。そこにはこう書かれています。
日本では、民法が3条に、「私権の享有は、出生に始まる」との規定をおいているが、どういう状況を「出生」と定義し人としての始期とするかについて、日本の法律は、特に明確な定義をしていない。そのため、どの時点で人として扱われるようになるかについては、学説に頼ることになる。
「明確に定義していない」だって！？それじゃあ赤ちゃんがいつ「1体のチャンピオン」として扱われるのかわからないじゃないか…(絶望)
5.学説と共通点
人の始期のページに掲載されている学説は以下の5つです。ゴタゴタと長いのでサラッと要約すると
- 独立生存可能性説:赤ちゃんが母体から出て独立して生命を存在できる状態になった時を始期とする説
- 一部露出説: 母体から赤ちゃんが一部でも見えたら始期とする説
- 全部露出説:母体から赤ちゃんが全部出た時を始期とする説
- 出産開始説:赤ちゃんの露出に関わらず出産を開始した時点を始期とする説
- 独立呼吸説:赤ちゃんが胎盤呼吸から肺呼吸に移行した時点を始期とする説
です。
この複数の学説には共通点があります。
それは、「最低でも胎盤が開き出産の状況になっていない限りは人間の始期とはしていない」という点です。
6.結論
出産の状況になっていない母体の中にいる胎児は人として扱われることはないので、恐らく「1体のチャンピオン」として扱われることもありません。
つまり、
こういう状態の妊婦にモルデカイザーがultを使っても、妊婦の中にいる赤ちゃんはまだ「1体のチャンピオン」として扱われていないため確実に母体と一緒に冥界に連れて行かれることになります！
ですが、
こういう状態だとモルデカイザーのultに「出産開始説」が採用されていた場合に母体のみがモルデカイザーに連れて行かれ出産途中の赤ちゃんは強制的に排出され置き去りにされてしまいます。
しかし、この状態でモルデカイザーのultが使われたとしても「独立生存可能性説」「独立呼吸説」のどちらかがモルデカイザーのultに採用されていた場合はまだ赤ちゃんは法的に「人」としての扱いを受けておらず「1体のチャンピオン」としても扱われないと考えられるので母体と共に冥界に行くことができます。
補足
ここまでは日本の法律における「人の始期」を基準としてモルデカイザーのultを考えてきましたが、リーグオブレジェンドの運営会社であるRIOT GAMESはアメリカ合衆国カリフォルニア州に本社を置いています。
そこで僕は「モルデカイザーのultにアメリカ合衆国の法律が適応されるのであれば結果は変わるのかも知れない」と考えました。
片っ端からアメリカにおける胎児の人権問題に関連した記事を読みあさっていると興味深いニュースを見つけました。
2006年、アメリカ合衆国コロラド州で「母体が交通事故で死亡したが搬送先の病院で胎児を救えなかったのは医者の怠慢ではないか」という訴訟があったというものです。
この際コロラド州の裁判所は「まだ生まれていない胎児は人として認められていないので人権はない」として無罪の判決を下しています。
ということは、先ほど出した結論と同様に出生を行っていない妊婦に対してモルデカイザーがultを使ってもお腹の中の胎児も一緒に冥界に連れて行かれることになります。
しかし、この裁判で訴訟を起こした夫側は「カトリックの教義では胎児も人と定められている」と反論しています。
つまり、モルデカイザーのultがカトリックの教義に則って判定が行われているとするならば「母体が胎児を宿した」瞬間から胎児には「1体のチャンピオン」の判定が発生し、ultを使われた母体からはタムケンチの例と同様に強制的に胎児が排出され母体のみが冥界に連れて行かれることとなります。
ここまで法律を遵守した考察を進めてきたので本末転倒ではありますが、モルデカイザーのultの正式名称は「死の国」であり、「死の国」に日本やアメリカの法律・宗教的な倫理観が通用するのかどうかについては正直言ってモルデカイザー側の考え方の問題なので僕には考察のしようがありません。よって、今回はあくまでも補足として書き留めておくことにします。
あとがき
いかがでしたか？一般的に想像する「妊婦さん」にモルデカイザーがultを使っても日本やアメリカの法律の適応内であれば赤ちゃんが強制的に排出されることはなく、赤ちゃんごと冥界に入ることができるという結論に至りました。
もしこの記事を読んでる方の周りに「モルデカイザーが妊婦にultを使うとどうなるんだ？🤔」と疑問に思っている方がいましたら是非この記事を紹介してあげてください。
今回は人の始期についての学説と実際にアメリカで起きた裁判の実例を用いてモルデカイザーのultと妊婦の関係性について考えていきましたが、もし別の観点からモルデカイザーのultと妊婦について考察した方が居ましたら是非ご一報ください。
以上となります。ここまで読んでいただきありがとうございました。ではまた。
参加記事
胎児は人か人未満か? 訴訟社会アメリカで起きた論争 | ザ・リバティweb
